瞑想心理カウンセラーリッカのつぶやき

決められないとき、自分の気持ちがわからないとき。あなたの本心をカウンセリングと誘導瞑想で一緒に発見します。

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商店 家業と罪悪感[ウツボ]

久しぶりの三人称視点で自身の過去を振り返るウツボパートです。この振り返りは、私にとって大切な行為なのだけれど。正直、他の方には全く楽しくもないと思う!

ご興味のある方、ちらりとのぞいてもらえたのなら嬉しいっ。私自身のお金に対するブロックや、罪悪感、無価値観がどこからきているのか。参考になるかもしれません。心理カウンセラーのクラリッカでした。

(回想では、幼い頃の呼び名ジカにて振り返りをする)

 

ジカの家は、個人商店を営んでいる。

100年ほど前になるだろうか。曽祖父が入植した頃、地域一帯は林業最盛期を迎えていた。大きな街へ向かうには1日がかりであった。曽祖父は、中継地点である村に、馬(!)を休める場所兼食品と日用品を購入できる商店を開いた。

ジカの祖父みっちゃんも、教師の職を辞めて店を継いでいる。当時はとても羽振りが良かったと聞く。

ジカの父も20代後半には、都会から戻り家業を継いでいる。70年代であったが、国道はまだ砂利道だった。嫁いで来たばかりの頃の思い出話を、ジカ母は笑いながらよく教えてくれた。

当時のことを、珍しく父が話してくれことがある。街の市場に行くと、コカコーラ(もちろん瓶)があった。ジカ父はコーラを仕入れて店先に並べた。どうやら本州からやってきた青年二人組が「こんな田舎にコーラがある」とひとしきり騒いでいた。父はニヤニヤしながら、その二人組を眺めていたとか。

ジカが生まれた80年代に店舗を大きくした。集落には4つスーパーがあった。ジカは保育所から帰ると、近所を散歩して回っていた。道行く人に「どこの子?」と聞かれれば、「〇〇商店の娘」であるとか「みっちゃん(祖父)の孫」とでも答えれば、皆「ああそうか」と笑顔で見送ってくれた。ジカは集落を徘徊するのが好きだった。

 

今でも、ジカが覚えている場面がある。

12月、スーパーの前に大きな天幕のテントを二つはる。荒巻鮭が塩を纏ったまま木箱に入っている。みかんが沢山入ったダンボール箱。それらが何箱も積み上げられている。立てかけられた木枠には、お正月飾りが山のように貼られている。巨大なジェットヒーターが、忙しく働く店員を温めている。祖母トチコ達が作った甘酒が振舞われ、様々な商品が大量に、箱ごと購入されていく。ジカはそんな大人達の様子を皆ながら、邪魔にならない場所を自由に動き回っている。まだまだ小さいから、手伝いをすることもない。ジェットヒータに近づきすぎないようにだけ気をつければいい。

夕飯の時間が過ぎても、お客さんが途切れずに来てくれる。いつの間にか牡丹雪が降り出して、明かりに照らされながら、テントに降り積もって行くのをジカはただ見上げている。

 

年々規模が縮小されていき、蚤の市のような年末の大売り出しは、ジカが中学生になる頃には行うことはなくなっていた。

とうとう、スーパーはコープの店舗と、ジカの家の2店舗だけとなる。皆、車で30分の街へ買い物に行ってしまう(祖父の時は、馬で1日がかりだったのにね)

 

そして、大型チェーン店がやって来て、コープもジカの家のスーパーも閉店することとなる。

学校や企業への卸業と、母が行う仕出しをして、なんとか店の名前だけは残している。

みっちゃんが死ぬ間際まで心配していたことを母が教えてくれた。〇〇商店の名前を残したいと。後を頼むと。申し訳ないと。

 

ジカは、商店のなんの役にも立っていない。

ジカ母は言った。子供達には、店を継がせたくない。ジカはずっと見て来た。とても完済できそうもない借金がどのようにできていったのか。両親が店を残すためにどのようなことをして来たのか。全部全部見て来たし、聞いて来た。

社会人になって、貯めていたお金を少しだけ出したぐらいで。それでもとてもとても傷つき、力のない自分がジカは情けなかった。

家から離れ、好きなことをしているいまの自分にものすごく罪悪感を感じてしまう。家業を継ぐ覚悟も盛り返す技量もない。今できることは、こまめに顔を出して楽しげに過ごすことが自分の役割だとジカは思っている。

 

 

 

 

祖父と父から続く罪悪感と無価値観を掘り起こした気分だ。今でも、何か道はないだろうかと考えてしまう。これが何百年も続く老舗とかだったら、もっと重々しくて濃いのだろうね。比較しても意味はないけれど。

そうそう、実家にはかなりおとぼけ顔のハチワレ犬がいて、彼女がありとあらゆる毒気を中和してくれている。犬は愛が形を持ったものと言うけれど(猫とか、例えばレオパードゲッコーもそうだよ!皆さんの愛するペットは全部そうだ)必要なところに、必要なものはやってくるよね。クラリッカでした。